グリーンエコートップページ ガーデニングコラム

私の鳥

 今回は日本人と、ガーデニングの本場イギリス人との考え方の違いについて触れさせて頂きます。

 私を含んだ日本人にはとうてい理解できない話ですが、私の友人で仕事柄、毎年イギリスに渡る方から聞いたエピソードです。その彼はイギリスに約一ヶ月滞在する訳ですが、ビジネスパートナーのお宅に招かれた時の事です。ある日食事の後タバコを吸う彼は家主に『タバコは周りの人に害があるので外で吸ってくれないか』と言われたのです(家主は彼がタバコを吸う事を知っていました。)そして、その彼は外の庭に出てタバコを吹かしながら景色を見ていると、家主が庭に出てきて彼に言ったのです『庭の木々や花達が迷惑だからもっと、向こうの隅の方で吸ってくれないか』と言われたのです、言われた彼は仕方なく庭の外れの隅の方で吸う事にしました。そうしたらまた家主が来て一言『小鳥たちが迷惑だからそこで吸わないでくれ』と言われたのです結局タバコを吸うのを止める事になったのです。きっと家主は彼にタバコを止めてもらいたかったんですね。その家主が最後に彼に言った事、それは自分の庭に飛んで来る小鳥達の事を『あの鳥達は僕の鳥なんだ』と言ったそうです。

 私はその話を聞かされた時、強烈な衝撃を感じました。庭創りの仕事をしている私ですらそんな事を考えた事はありませんでした。その時凄く自分を恥じました。私たち日本人は『自分達の都合で生活し、自分達の都合で庭創りをしているんではないか』と感じました。イギリスでは田舎に行くと2000〜3000万円でなんエーカーという面積の土地が買えるそうですが、いくら日本が土地が高いとはいえ自分の土地の中だけで物事を考える発想は、『いかにも人間らしいエゴで、回りの事も考えず都合よく生きているのではないか』と言う事ではないのでしょうか。そんな心の狭さに寂しさすら感じました。日本人はお金は持っているが心が狭い、しかしその家主はきっと大きな心の持ち主なんでしょうね。

 はたして物質だけで人間が生きて行く事が出来るんだろうか、心が満たされてこそ本当の意味で至福の時を迎える事が出来るのではないのでしょうか。理屈ではよく解からないが、『心の何処かにそんな物を感じ、そして何かを探しだした私たち』がガーデニングと言う文化を日本にもたらし始めたのではないのでしょうか。

 微力ではありますが、ガーデンと言う文化のお役にたつ事が出来るならガーデナーとしてその隅にでも置いて頂き、一生懸命努めさせて頂きたいと思います。

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