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ガーデナーの宿敵

 ガーデニングを楽しむ上で私たちを悩ませる要素は数多くありますが、特に害虫の問題は深刻です。本来自然派志向でガーデニングを楽しんでいらっしゃる方にとって害虫は大きな問題かも知れません。しかしながら害虫も自然のひとつと捉えていらっしゃる方も少なくなく、ただ邪魔者扱いせずに上手に共生していく事もある意味重要な事であるといえます。

 庭の植物を食い荒らす害虫は数多くいますが、その中でもただ食べるだけの害虫ならさほど問題はありませんし、その程度なら美観こそは損なわれますが植物そのものを枯らしてしまう事などありません。次に接触する事によって痛みやかゆみを伴うものなどはある程度駆除も考える必要もありますが、この類の害虫も考えようによってはさほど大きな問題にもなりません。しかしながら害虫の食害によって植物そのものの生命を絶ってしまうような種類のものは、あくまでも人間サイドの都合ですが決して見逃す事は出来ないのが現実です。

 私が宿敵と考えている害虫で決して見逃す事の出来ない害虫をあえて挙げるとすれば、それは鉄砲虫であると言えます。初めてこの名前を聞いた方も少なくないと思いますが、鉄砲虫というのはカミキリムシの幼虫の事をさすものであくまでも通称ですが多くの地域でこの言葉が使われています。カミキリムシは多くの種類がありますが、多くの場合はゴマダラカミキリの幼虫を指すものです。日本の多くの地域で見る事が出来るゴマダラカミキリは多くの方が一度は目にした事がある昆虫でベースが黒で白いゴマの模様が全体にあります。捕まえるとギーギーと音をたて、まるで泣き声のようにさえ聞こえるのが特徴で私も幼い頃はよく見つけては捕まえて遊んだものです。

 鉄砲虫は樹木の下部(地上から10cmから1m以下)の幹の中を食外します。その為に樹勢が衰え樹木そのものを枯らしてしまう厄介な昆虫です。人間の致命的な病気と同じで発見が難しく気が付いた時には樹木が枯れ始め既に手遅れとなるケースがほとんどです。発見は樹木の根元にオガクズ(木クズ)状のものが落ちていてその上部の幹に小さな穴が空いているものを発見する方法以外にはありませんので、こまめに観察すれば早期発見ができ樹木を救う事も可能です。カミキリムシの生態は成虫が幹に傷をつけて産卵し、幼虫は幹の中を食害しながら成長します。種類によっても差はありますが、卵から産卵までの期間は1年から2、3年を要しますので樹木が枯れてしまった場合はその期間全く観察していないと言う事も逆に言えるでしょう。

 予防策としては庭で成虫を見つけたら必ず捕殺する事です。少し残酷かも知れませんがそれが一番の予防法です。もし庭で成虫を見かけたら既に産卵が終わっている場合もありますので、そのような場合は特に樹木を観察する必要があります。定期的に観察し早期発見を心がけて頂きたいと思います。一度食害されたら駆除は困難ですが万が一小さな穴やオガクズを発見したら針金などで突き駆除する方法やスミチオンなどの農薬を注入するか綿などにしみこませたものを穴の中にいれて粘土などで蓋をするのが最も効果的な方法と言えます。粘土の代わりにガムテープなどを巻いておいても良いでしょう。また最近では鉄砲虫専用の殺虫剤も販売されておりますのでそれらのものを利用するのも良い方法です。

 発見から駆除という予防策ではなく、ガーデニングファンにとって最も大切な事ですが、樹木を健康な状態に保つ事が最高の予防対策になる事を念頭において頂く事です。自然界の中では害虫による食害で木が枯れてしまう事が頻繁に起これば樹木はすべて枯れて無くなってしまいますが、それは健康な状態で生きているからです。今回のカミキリムシの場合は弱っている樹木に産卵するケースが多いと言われており、樹木が健康な状態であればカミキリムシの食害を少しは避けられるかも知れません。一説では樹勢が強い樹木ではヤニなどで幼虫が成育できないとも言われています。

 我々ガーデニングファンの宿敵である害虫から植物を守るには、日々の観察と健康な状態で植物を育てる事が最も重要である事には間違いありません。宿敵にスキを見せず攻め入られる事が出来ないほどの強い状態が出来れば害虫などの食害などは全く気にする事など無いのかも知れません。

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