グリーンエコートップページ ガーデニングコラム

庭造りのポリシー

 庭造りを仕事に持つガーデンデザイナーは日本にも沢山いらっしゃいますし、それぞれが多様な個性を持ち素晴らしい庭を皆様にお届けしている事と思いますが、私が常日頃決して忘れてはいけない事としてデザイナーはアーティストではないと言う事です。

 ガーデンデザイナーの仕事は個人邸の庭造りを始め色々な状況の中で仕事を進めていきますが、展覧会などの発表の場以外は殆どその庭を使われるお客様がいるのが現状です。そのような状況の中でいかにお客様の意に添えるかが重要な事ですが、お客様の主張する要望を取り入れプランニングを進めていくのは当然の事ですが、それだけでは決して満足の行くものは出来ませんし、後でその庭を使うようになってから使いにくい点や不満な点などに気付く場合も少なくありません。私も初心者の頃は経験がありますが、いかに後から問題点が起こらないかを十分探る必要性がありますし、目に見えず耳に聞こえないものをいかに見つけるかがガーデンデザイナーの仕事だと言い聞かせております。

 ガーデンデザイナーの本来の責任を忘れ、アーティストになっている場合は最も危険な状態です。私がこの場で使うアーティストという意味はお客様のいる事を忘れて自分の主張が優先になった庭のプランをする事ですが、お客様が庭についての専門知識がないのをいい事に、見た目だけのデザイン性のみに走り使うお客様が不在になる事は私の言うガーデンデザイナーではありません。

 アーティスト的に自分のエゴでプランを進め、これ見よがしにデザイン性だけを主張した場合は後になって必ずといっても過言ではないくらいに、お客様に違和感を与えることになります。この事は私の経験からも言える事でありますので間違いのない事実です。しかしながらお客様をないがしろにしてしまうケースも沢山あるのが現在のガーデン業界の実情です。

 実際に庭造りを進める時に全てを説明する訳ではありませんが、お客様のあらゆる部分に注意を払い多くの事を探すためには、全体の庭の構成や植栽に使う植物、またそれぞれの構造物などの使い易さなどを追求するために全力に取り組む必要がある訳です。そのためには失礼な事を質問しプライベートな部分にまで介入したり、多くの時間を費やしコミュニケーションをとる事で解決していくのが本当に満足できるプランであると言う事が出来ます。短時間の面談で、また好みのガーデンスタイルや予算を聞く事だけで数日でプランが出来るようなものには決して良いものなど生まれるはずもありません。

 ポリシーを持ちこだわる事はプロのガーデンデザイナーなら当然の事であり、せっかくお金を使い庭を造る以上、その金額以上の目に見えないものをお客様の庭においてくる事が出来れば我々ガーデンデザイナーのこの上ない喜びであり、その事がプロのポリシーだと確信し、初心を忘れる事がないように庭を造り続けていきたいものです。

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