グリーンエコートップページ ガーデニングコラム

隠される学名

 ガーデニングを実践する上で私たちが親しみ慣れた植物をはじめ、全ての植物には世界共通の名前が付いている事は殆どの皆様がご存知の事と思います。その名前は学名と呼ばれラテン語で表記される決まりになっていますが、我が日本では殆ど浸透していないのが実情です。

 私たちが日頃、植物を買いガーデニングを楽しんでいる木々や草花にはラベルが付いており名前が表記されていますが、それらの名前は殆どの場合日本で勝手につけられた俗名であります。簡単に言えばニックネームが付けられている訳ですが、それらの習慣は日本独自のものであり、名前が簡単に覚えられるというメリットもありますが、逆にその植物の本当の名前を知る事が出来なかったり、その後同じ植物を探す時や調べたりする場合、またその植物についてコミュニケーションをとる場合等に大きなデメリットも生じてしまいます。

 実際問題俗名も非常に親しみやすく、覚えやすいという面から見れば非常に便利な方法であり一般的な皆様には最も使いやすいものであり、それ以上必要かどうかは実際のところは判りません。しかしながら、それと同時に大きな欠点も抱えている事が大きな問題であります。特に困るのは名前が沢山ある事により、ひとつの植物を扱うにしても学名を含み多くの名前を覚えなければならない事は非常に不便でもあります。

 本来日本で俗名が使われる事には文化的な背景があると思われますが、もともと日本では古来から使われてきた植物の呼び名がある事に起因し、学名という学術的な外来語が文化に馴染まない事が最も大きな原因と考えられます。実際に樹木等は地方によって呼び名が異なり我々プロの世界でも名前が違う事から戸惑う場合も数多くあるのが現状です。

 しかしながら世界の距離が縮まり各国から色々な植物が輸入される時代背景を考えれば当然学名での表記も必要なものになってきます。実際のところ多くの生産者が苗を諸外国から輸入しそれを植替えある程度大きくして市場に流通させている場合が多くなってきている昨今では特に必要性がある訳です。しかしながら生産者自身が学名を明確に把握してない場合もあり、市場に出回る植物もどんな物か判らないような場合も少なくありません。

 学名が一般の皆様に浸透しない訳は他にも多くありますが、特に顕著なものを挙げさせて頂きますと、最近の植物苗の市場は息が短く新しい苗を輸入し宣伝をして、一般市場に販売する期間が数年で終わってしまう事が殆どで、その後人気の無い植物は市場から消えてしまいます。運よく人気が出てきた場合に販売を独占するためには学名を公表しないことが最も有効な手段です。いざ他の業者がその苗を輸入しようとしても、学名がわからなければ仕入れる事は出来ませんので、ビジネス上の問題が殆どの理由で学名を明記する事を避けるのが現在の植物流通事情であると言えます。

 古来から日本にあるものではビジネスにならない状況下のなか、常に目新しいものを欲しがる日本の市場がそうさせているのかも知れませんが、まさに植物も商品と化し純粋にガーデニングを楽しもうとしていらっしゃる皆様方には決して良い環境とは言い難いのが現状です。以上の事などが複合的に絡み合い学名が表記されないのが逆にガーデン文化の向上を大きく妨げている事は紛れもない事実であり嘆かわしい事であります。

 学名から学び取れる事も多くありますので皆様におかれましても是非学名表記を注意深く観察される事をお勧めします。また書籍やインターネット上で植物を調べられる場合も参考にして頂ければ幸いです。

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