グリーンエコートップページ ガーデニングコラム

あるがまま

 最近では人間のストレスの問題は非常に大きな社会問題になっている事は周知の事実でありますが、その代表的な例を挙げてみますと自殺者の数をみればストレスを含めた心の病の深刻さを思い知らされるものであります。

 毎年の自殺者数は年々ウナギ登りに増えているのが現状で、数字を聞いた瞬間に耳を疑うほどの状況です。平成9年までは2万人台である程度横ばい状態でしたが、平成10年以降はその数字も一気に加速し3万人を超えるような状況が起き、平成15年では過去最高の34,427人にも達した事は非常に深刻な状況です。ちなみに交通事故死者数は年々減少傾向にありますが、平成15年は7,702人でこの二つを比較しても自殺者がいかに多いかお分かりになると思います。

 一体どうなってしまったのでしょうか。なぜこんな状況になってしまったのでしょうか。医学は年々進歩し体の病の治療は成果をあげているのに、心の病はどんどんひどくなり多くの人たちに広まっていて、このまま捨て置くような状況ではありません。実際私が接するお客様や相談を受ける方の中にも心の病に悩んでいらっしゃる方も多く、そこからガーデニングを趣味にして癒されている方も少なくありません。

 近年では園芸療法という分野もあるくらいで植物に触れることが精神面で大きな効果をもたらす事が注目されていますが、実際私も庭造りの仕事を始めてから多くの事を体験してまたその効果を実感してまいりました。植物栽培を体験する事により生命の本質を体験し、人間がいかに無理のある考え方や生き方をしているかを考えさせられる事に気付かされるものであります。この事からストレスなどの問題も大きく改善できる可能性がある訳です。

 ガーデニングを実践し植物栽培にある程度触れた事がある方はお分かりになると思いますが、植物との係わり合いは大変気持ちの良いもので、人間関係に比べれば非常に大きな違いがあります。人間は考え方や生き方などがそれぞれ自分で選択でき、その事から自分とは違う考え方や生き方との相違から大きなストレスを感じる事になります。その上に最も大きな問題として言葉というものがある訳ですが、これが非常に厄介なもので実際に思っている事が正確に表現する事が出来なかったり、たとえ出来ても相手の捕らえ方によって変幻自在に姿を変える厄介なものでもあります。

 ガーデニングを通じて私が学んだ事は数多くありますが、最も大きなものは植物自身の姿であるあるがままの生き方です。最近の研究から植物には意思があるのではないかという事が発表されていますが、仮にあったとしても言葉を使い自己を主張しないと言うことであります。植物は人間とは違い言葉を発しませんので自分の意思を表現する事など出来ません。どんな状況であろうとあるがままに生き、そして全てを受け入れるだけです。

 人間の苦悩は全て欲望から生まれてくると言われていますが、欲望を全て無くす事など出来るわけありません。しかしながら現在の状況をあるがままに受け入れる事が少しでも出来ればストレスを感じる事も大きく減少する事は私が体験し実感した事実です。決して無理にガーデニングを実践したり、ストレスを解消しようとして接する事はかえって逆効果であり、自然の中で生きている植物に触れたり共に過す事によって自然の恵みを受けるのがベストです。現実逃避から植物栽培に進む方もいますし、ガーデニングを楽しむ方は多種多様ですが、現代人が必要なものが沢山隠されている事には間違いないようです。

 植物の本質であるあるがままの生き方を少しでも参考にして実感できればストレス多き現代での生活も少しは滋味豊かなものになるかも知れません。それが我々人間が忘れてしまった本質であり、少しでも本来の物質的および精神的なバランスをとる事が出来るのも、あるがままを受け入れる事ではないでしょうか。自然のバランスを考慮せず自分勝手に生活環境を変えてきた代償は、計り知れないほど大きく私たちに襲いかかってきていることは事実ですし、私たちの未来にとっても健全な形をとっていく他ありません。

 皆様も無理せず気負う事なくあるがままのガーデニングを実践されてみては如何でしょうか。

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