グリーンエコートップページ ガーデニングコラム

植物生産業界の危機

 今回のタイトルは、非常におどろおどろしいものになっていますが近年、特に昨年からの植物の生産業界について少し触れさせて頂きたいと思います。

 近年ではガーデニングブームが発展し一昔前に比べればはるかに多くの方がガーデニングを楽しみ植物の流通量も格段に増えてきている事は周知の事だと思いますが、現状はある意味全く反対の方向に向かっている事にお気付きの方は殆どいらっしゃらないのが現実では無いでしょうか。

 ガーデニングブームが始まる以前の植物栽培業界は苗を求められるお客様の数も絶対的に少なかった訳ですが、その分ガーデニングが本当に好きな方が対象であるために苗を生産する業者も質の良い物を作らなければならなかった訳ですし、流通が安定していた為に金額的にも正当であり需要と供給のバランスが保たれていて、お互いの発展を向上できる素晴らしい状態でありました。

 しかしながら、ガーデニングブームが到来しありとあらゆる所で花苗などが売られるようになってからは売り手側に植物を商品としてみる価値観が浸透して安売り合戦が始まりました。特にホームセンターやディスカウントショップなどでは他の商品を売るための目玉にして激安で販売されるようになってきた等、本来人間の欲とは無縁でもっと純粋であったガーデニングが、人間の本性から全く逆の方向へ向かわざるをえない状況になった事は正に皮肉以外の何物でもありません。ガーデニングが人間にとって無意識の中で必要になり素晴らしい文化が形成されようとしている状況を、人間がまた悪い方向に向かわせようとしている事は非常に嘆かわしい事です。

 そんな状況の中、生産業界に何が起こっているかは皆様にも見当が付くとは思いますが、激安合戦によりデフレが起こりその負担は全て生産者に向けられる状況が起こり、どれだけ働いてもどれだけ良い物を作っても利益を出すどころか従業員の給料すら払う事が出来なくなる様な状態に至り、やむなく規模を縮小するしかないのが一般的な状況です。またそのような状況のなか、昨年は台風などの自然災害などの影響も受け苗が駄目になってしまった所も少なくなく、秋から年末にかけては市場でも苗などの植物が不足ぎみになっている状況でした。

 これからもっと発展していかなければ明るい未来は無いような状況のなか肝心な生産業者の皆様が衰退していくようでは、いったいどんな未来が待っているのでしょうか。ガーデニングを楽しんでいらっしゃる皆様に責任がある訳ではありませんが、本当に良い物を作る生産者さんの苗を守るためにそれらを見極める目を養って頂き、良い物をご自分のために守っていって頂くことが出来れば正常な状態に戻ることも不可能な事ではないはずです。

 利益を得るためだけに走っているお店や、素人に分からなければ少々手を抜いて悪い苗を作っても良いと考えている生産者のために、楽しいガーデニングを実践する事が難しい状況を強いられるのはまったく不愉快な事です。そのような事が回避できれば、提供する側もそれを購入してガーデニングを楽しむ皆さんももっと意味の深い充実したものになる事は明白です。現状は非常に危惧されるものであり、永遠にガーデニングを楽しめる事が出来るような社会になる事を祈るような思いでいっぱいです。

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