グリーンエコートップ  ガーデニングコラム

エピソード2000 Vol.3

 予選を何とか通過して決勝ラウンドの下見を終え、愛知に帰る新幹線の中からもうすでに決勝ラウンドのプランニングが始まりました。

 勝ちを意識し過ぎ本来一番大切にしなければならない庭つくりの精神から少し外れていた自分を元の姿に戻すのはそんなに難しい事ではありませんでした。
第一ラウンドの『中学校の花壇』勝負は不特定多数の人々が庭を見る事や、実際に生活の場として使われる訳でも無く、ただ花壇の前を通過して眺めるだけで庭(花壇)との接点が非常に少ない事から、ディスプレイ的要素が強く庭の意味を奥まで掘り下げる事が非常に難しかった訳ですが、決勝ラウンドでは実際にお客様が住まわれていますし、その家族のライフスタイルや好み、また庭とのかかわり方や考え方などが明確に解かりましたので私にとっては非常にやり易かったです。
 また私にとって非常にラッキーだったのは、まさに自分が目指している庭とお客様の望まれている庭が殆ど同じ物であると言っても言い過ぎでは無いくらいでした。そして決してうまくまとめてある訳では無いけれど一番庭の手入れがされていたのもそのご家族でした。その御家族は、穏やかで優しいご主人と奥様そしてお子様3人と言う一般的なご家庭でした。神様が私に味方をしてくれたのでしょうかその後家族の庭を作らせて頂く事になったのも今思えば運命的な物でした。

 私がどのような庭を創ったら良いかをお聞きしたら、一番初めに出たお言葉が『四季を感じる庭』でした。今流行りのガーデンスタイルがあまりお好きでないようで、日本の何処にでもある、優しく懐かしい庭、『ご家族と共に育み、共に暮らせる庭』そんな事を仰っているような気がしてなりませんでした。
 TV局から与えられたテーマは『家族で食事が出来る庭』でしたが大切にしたかったのは、現代社会に欠けている家族のだんらん、見た目だけを重要視して物事の本質をないがしろにしがちな生活習慣や考え方、日本人に欠落した心豊かな文化等々を問題点にして、決して派手ではないけれど、何処か優しく感じる庭、そして何故か庭に出たくなり、家に帰って来たくなる庭が創りたいとプランニングを進めました。

 決勝ラウンドは勝敗は意識せず、本当の意味でその庭を使われるご家族にとって100%満足して頂ける庭を創る事に専念して戦いたいと思いました。
そして楽しんで戦える事を最大のテーマにしてプランニングを進めました。そして思わぬ結果が私を待ち受けている事も知らず決勝を迎えたのです。

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