グリーンエコートップ  ガーデニングコラム

エピソード2000 Vol.6

 TVチャンピオンに優勝し満たされて帰路に付いたものの、実際の所あまり実感はありませんでした。周りの人にとっては大きな出来事だったのかも知れないが、私にとってチャンピオンになる前もその後もたいした変わりも無いというのが実際の所でした、勝っても負けても自分自身が本質的に変わる訳では無いですからね。ただ今回の選手権で多くの事を学び、そして経験したのは紛れも無い事実でした。

 2000年のTVチャンピオンで一番感じた事は、予選ラウンド、決勝ラウンドを通してガーデンの本質を最も大切にしなければならないと言う事でした。常々私が感じ提唱し続けている『物事の根本原則を軽視した、見てくれだけの世界を大切にする日本の庭文化を見直す』という事でした。
 自分自身に何のポリシーも無くただ物珍しい物だけを取り入れて行く日本の文化には常々疑問を感じている訳ですが、それがある意味日本の文化になり下がってしまっているのが現実かも知れません。
 近年情報化社会が急速に進み、世界中(例えばイギリスなど)の物珍しい風景や文化を雑誌やインターネットで容易に見る事が出来るようになり、ただ目新しく珍しいからと言って安易に自分達の住空間に取り入れてしまっているのが現実ですが、果たしてそれが本当の文化と言えるでしょうか。
 本来日本にある大切な文化をいつも根底におき、その土地から自然に湧き出たような庭造りが本来の日本の庭だと思います、古典的な日本庭園が決して悪い訳ではなく悪いのは先人達が確立して来た文化を、表面的な部分だけを模倣し提供して来た私達造園業界に責任があるのではないかと思います。

 目に見えないもっと大切な部分、そんな物がきっとあると思いますし、その場所その庭を使われるご家族に応じたそれぞれの庭があるはずです。その部分を考慮して考えられた庭であるならばそれがどんな庭であっても良いのでは無いでしょうか。

 庭と言う物の本質的な意義や目的、何が主役であるかと言う事を痛いほど思い知らされたTVチャンピオンでしたが、押しつぶされてしまいそうな大きな荷物を背負い一番大切な物さえも考える余裕がなくなっていく自分自身にいらだちを感じながら日々の仕事に追われる一年が続いたのでした。2001年のTVチャンピオンで生まれ変わった自分自身になるまでの短いようで非常に長く感じる一年を過ごす事になったのでした。

 2001年TVチャンピオンエピソードはまた機会を見てお話させて頂きます。

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