グリーンエコートップ  ガーデニングコラム

エピソード2001 Vol.4

 第1ラウンドで駅前の花壇の作製が終わり、審査を待つばかりの状況の中で時間を過ごす事はTVチャンピオンで2回目の出場で少しは慣れているとはいえ、撮影のための段取りや、一般の皆様への説明等もあり、かなりの時間待たなければいけないのが本当に不安で、時間の過ぎていくのがこれ程長く感じる事は、日々の生活の中では殆ど味わう事が出来ない経験でした。


 前回の2000年のTVチャンピオン出場の時にも同じ思いをした訳ですが、今回は2回目の出場でディフェンディングチャンピオンであるという事も手伝って、そのプレシャーというものは前回とは違う大きなものでした。立場的にはどうしても、いや絶対負けられないという気持ちが強く何とか決勝進出だけは果たしたい所ですが、出場者の皆様に取りましても普段この仕事で生計を立てていらっしゃる方ばかりですので、気持ちは皆同じだったと思います。

 長い撮影準備の時間も過ぎ、いよいよ審査の収録が始まりましたが、ふと前回の2000年のTVチャンピオンの第1ラウンドの審査の事が頭の中をよぎりました。前回も3位ぎりぎりで通過して、肝を冷やした事を鮮明に覚えていました。また前回の様に心臓に悪い状況を受け入れなければならないのか、いやひょっとしたら予選ラウンドでリタイアするのではないか等、不安から悪い事ばかりを想像しどんどん暗い闇の中に落ちていく様な気持ちで審査結果の発表を待ちました。

 一人ずつ票を入れていく中で結果がなかなか伸び悩み一人目の決勝ラウンド進出が決まりました。不安は的中し更なる不安が輪をかけて大きくなっていく中、2人目の名前が呼び上げられました。また選ばれなかったと言う思いにあせりさえ感じましたが、いやむしろもう駄目なのではないかというあきらめさえ頭の中をよぎるようになり気持ち的には絶望のふちに立たされた思いでありましたが、やはりリタイアだけはしたくないと神に祈るのみで、最後の決勝ラウンド進出者の名前が呼び上げられた時には腰が砕けるような思いでした。何とか最後に名前を呼ばれ決勝ラウンド進出が決定したのでした。

 助かったという思いと同時に、今回の収録の全てが終わったかのような安堵感に満たされた事は今でも鮮明に覚えています。しかしながらどんな勝負でも負けた人の上に勝利がある事を思うとリタイアされた方の気持ちを考えずにはいられず複雑な思いがありました。

 本来庭造りに優劣などあるものであろうか、たったこれだけの花壇ひとつでそんな事を判断されるのでさえ、不条理ではないでしょうか。それぞれが思いを込めて造った花壇であると同時に見る人の好みも様々で、誰一人駄目な人なんているはずも無いと解っていてもTVチャンピオンにチャレンジしている自分に大きな疑問を感じざるを得ないのは正直な気持ちでした。TV番組を面白くしようとする事によって、出場者が犠牲になっている節もあり、苛立ちさえ感じましたがもはや乗ってしまった船ですのでおりる事も出来ず流れに身をゆだねるほか方法はありませんでした。

 とにかく2回目の出場と言う事もあり勝利など何の意味もない事を感じていた私にとりましては、決勝ラウンドで今から出会うお客様の為に本来自分が目指している事をやり遂げる事、誰が判断するのでは無く、そのお客様の家族にのみ心から満足して頂けるものさえ出来れば何の後悔もない開放感に満たされながら、決勝ラウンド撮影の為に次の過程へと進んだのです。


グリーンエコートップ  ガーデニングコラム
Copyright(c) 2005 GreenEcho.Co.Ltd. All Rights Reserved.                          Web Produced by GreenEcho